「昨日まで普通に印刷できていたのに、今日から突然プリンターが反応しない」――こうした印刷トラブルは、Windows 11の機能更新後や月例パッチ適用後に特に発生しやすく、オフィス現場では業務を直撃する深刻なトラブルです。原因はさまざまで、印刷ジョブが途中でフリーズしているケース、印刷スプーラー(Print Spooler)サービスが停止しているケース、あるいはWindows 11バージョン24H2から追加された「Windowsで保護された印刷モード」がメーカー製ドライバーを自動削除してしまうケースなどが代表的です。本記事では、原因ごとの見分け方から、初心者でも迷わず実行できる段階的な対処手順を解説します。
印刷トラブルの主な原因を把握する

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Windows 11で「印刷ができない」状態には、大きく分けて以下の原因が考えられます。それぞれの特徴を理解しておくと、適切な対処手順に素早くたどり着けます。
■ 印刷ジョブ(印刷キュー)の詰まり
印刷命令が途中で止まったまま残っていると、後続のデータが送られなくなります。「印刷を実行しても何も起きない」場合、まずこれを疑いましょう。
■ Print Spoolerサービスの停止
Windowsが印刷ジョブを管理する「印刷スプーラー」サービスが停止・クラッシュすると、アプリ側で印刷ダイアログが固まったり、プリンターが一切反応しなくなります。
■ 「Windowsで保護された印刷モード」の誤有効化
Windows 11バージョン24H2以降に追加されたセキュリティ機能で、有効にするとMicrosoft社製以外のプリンタードライバーが自動削除されます。設定を無効に戻しても削除されたドライバーは自動復元されないため、ドライバーの再インストールが必要です。
■ プリンタードライバーの破損・非互換
Windowsアップデート後にドライバーが壊れたり、古いドライバーが新しいOSバージョンと非互換になるケースがあります。
【ステップ1】印刷キューを確認・クリアする

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まず最初に試すべき最も簡単な対処法です。印刷キューに古いジョブが残っていると後続の印刷が通りません。
① タスクバー右下の通知領域にあるプリンターアイコンをダブルクリック、またはスタート→「設定」→「Bluetoothとデバイス」→「プリンターとスキャナー」を開きます。
② 対象のプリンターを選択し「印刷キューを開く」をクリックします。
③ 一覧に残っているジョブを右クリックして「キャンセル」を選び、すべてのジョブを削除します。
④ キューが空になったことを確認した上で、再度印刷を試みます。
【注意】ジョブが削除できない・再度詰まる場合は、Print Spoolerサービス自体が問題を抱えている可能性があります。次のステップへ進んでください。
【ステップ2】Print Spoolerサービスを再起動する

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印刷キューのクリアだけでは解決しない場合、印刷スプーラーサービスをリセットします。管理者権限が必要ですが、手順自体は難しくありません。
① キーボードの「Windowsキー+R」を押し、「ファイル名を指定して実行」に「services.msc」と入力してEnterキーを押します。
② サービス一覧から「Print Spooler」を探して右クリックし、「停止」を選びます。
③ 次に「エクスプローラー」で「C:\Windows\System32\spool\PRINTERS」フォルダーを開き、中にあるファイルをすべて削除します(フォルダー自体は削除しないでください)。これが残留ジョブの完全クリアになります。
④ 再びservices.mscに戻り、「Print Spooler」を右クリックして「開始」をクリックします。
⑤ 「スタートアップの種類」が「自動」になっていることも合わせて確認しておくと、次回以降の予防になります。
⑥ PCとプリンター両方を再起動し、印刷が通るかテストします。
【ステップ3】「Windowsで保護された印刷モード」を確認・無効化する

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Windows 11バージョン24H2以降を使用している場合、この設定が原因でメーカー製ドライバーが削除されている可能性があります。
① 「スタート」→「設定」→「Bluetoothとデバイス」→「プリンターとスキャナー」を開きます。
② ページ下部に「Windowsで保護された印刷モード」という項目が表示されている場合は、現在の状態を確認します。「オフにする」ボタンが表示されていれば有効状態です。
③ 「オフにする」をクリックし、確認ダイアログで「はい」を選択して無効にします。
④ この状態ではすでに削除されたドライバーは復元されません。プリンターメーカーの公式サイトから、お使いの機種とOSバージョンに対応した最新ドライバーをダウンロードし、再インストールします。
【補足】この機能はMicrosoftが推奨するセキュリティ強化策ですが、現時点では多くの企業向けプリンター(複合機含む)が非対応のため、企業環境では誤って有効にしないよう注意が必要です。
プリンタードライバーを完全に入れ直す(最終手段)

上記の手順を試しても改善しない場合、ドライバー自体が破損・非互換になっている可能性が高いため、一度完全に削除して最新ドライバーを入れ直します。
① 「スタート」を右クリック→「デバイスマネージャー」を開きます。
② 「印刷キュー」または「プリンター」を展開し、対象のプリンターを右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択。「このデバイスのドライバーを削除しようとしています」のチェックボックスにもチェックを入れてアンインストールします。
③ PCを再起動します。
④ プリンターメーカーの公式サイト(Canon・Epson・Ricoh・富士フイルムBIなど)から、機種名とWindows 11のバージョン(24H2/25H2など)を確認した上で、対応する最新ドライバーをダウンロードしてインストールします。
⑤ インストール完了後、テストページを印刷して動作を確認します。
手順①〜⑤を実施してもなお改善しない場合は、ネットワークプリンターであればサーバー側の設定も確認するか、プリンターメーカーのサポート窓口に相談することをお勧めします。
よくある質問
Windows Updateの後に印刷できなくなりました。まず何を確認すればよいですか?
まず印刷キューに古いジョブが残っていないか確認し、あればすべて削除してください。次にPrint Spoolerサービスが「実行中」になっているかをservices.mscで確認します。それでも解決しない場合は、Windows 11バージョン24H2以降であれば「Windowsで保護された印刷モード」の状態も確認してください。
「Windowsで保護された印刷モード」を無効にしたのにまだ印刷できません。
保護印刷モードを有効にした際にドライバーが自動削除されているため、無効に戻しただけでは復元されません。プリンターメーカーの公式サイトから最新のWindows 11対応ドライバーをダウンロードして、再インストールする必要があります。
Print Spoolerを再起動しようとしても「サービスを開始できません」とエラーが出ます。
スプーラーの依存サービス(Remote Procedure Call)が停止している可能性や、システムファイルの破損が考えられます。管理者権限でコマンドプロンプトを開き「sfc /scannow」を実行してシステムファイルの整合性を確認・修復してください。
ネットワーク経由の共有プリンターで印刷できない場合も同じ対処で直りますか?
手順の多くは共有プリンターでも有効ですが、ネットワークプリンターの場合はサーバー側のPrint Spoolerサービスやドライバーが問題のこともあります。クライアントPCだけでなく、プリントサーバー側でも同様の確認を行ってください。